研究活動の検索
研究概要(研究室ガイド)やプレスリリース・受賞・イベント情報など、マテリアルサイエンスの研究室により公開された情報の中から、興味のある情報をタグや検索機能を使って探すことができます。科学技術振興機構(JST)「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」に3件が採択
科学技術振興機構(JST)の「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(育成型)」及び「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)トライアウト」に本学から以下の3件の研究課題が採択されました。
A-STEPは、大学・公的研究機関等で生まれた科学技術に関する研究成果を国民経済上重要な技術として実用化することで、研究成果の社会還元を目指す技術移転支援プログラムで、大学等が創出する社会実装志向の多様な技術シーズの掘り起こしや、先端的基礎研究成果を持つ研究者の企業探索段階からの支援を、適切なハンズオン支援の下で研究開発を推進することで、中核技術の構築や実用化開発等の推進を通じた企業への技術移転を行います。
また、大学等の研究成果の技術移転に伴う技術リスクを顕在化し、それを解消することで企業による製品化に向けた開発が可能となる段階まで支援することを目的とし、研究開発の状況に応じて、リスクの解消に適した複数のメニューを設けています。
*詳しくは、JSTホームページをご覧ください。
「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(育成型)」
- 研究課題名:高感度FETと等温増幅法によるウイルス・病原菌センサー開発
- 研究課題名:分離回収可能なタンパク質凝集抑制ナノ構造体
- 研究概要:機能性タンパク質の凝集抑制高分子ナノ構造体を創生し、バイオ医薬品の製造効率の向上を目指すとともに、長期保存、安定化剤としての応用展開を目指す。バイオ医薬品は、製造工程において凝集などによる効率低下や長期保存性が問題となっている。我々は双性イオン高分子がタンパク凝集抑制などの安定化作用を示すことを報告してきている。本申請ではこの化合物の分子設計の最適化を行い、磁性ナノ粒子やナノゲルの様なナノ構造体とする事で、分離回収可能な保護デバイスを創出する。この高分子は、凝集してしまったタンパク質をリフォールディングする事も可能であり、応用面のみならず学術面からの重要性も高い。
- 採択にあたって一言:世界の医薬品の主流が低分子医薬品からバイオ医薬品へシフトしている中で、抗体医薬などの安定性の問題を解決するための凝集抑制高分子の開発を行っています。今回採択された研究課題では、添加した状態でタンパク質医薬品を安定化させ、必要な時には完全に分離回収できる安全かつ高性能な凝集抑制構造体を開発します。この成果により、これまで不安定で産業化できなかった効果の高いバイオ医薬品の開発やその長期保存技術に貢献したいと考えています。
「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)トライアウト」
- 研究課題名:襲雷予測システムのためのグラフェン超高感度電界センサの開発
- 研究概要:雷の事故による世界の死者は年間2万4千人にのぼり、我が国の電気設備における雷被害額は年間2千億円にのぼっている。雷雲の接近により、地表では電界が発生し、変化する。従って、正と負の電界センシングが雷の予測に極めて重要である。既存の超小型電界センサは、極性判定ができないため、これまで、雷に伴う事故について、落雷後の分析はあるが、落雷前の検知は出来ていなかった。グラフェン電界センサは負の電界を検出することができ、超高感度化と正・負が実現できれば、襲雷を予測することができる。
- 採択にあたって一言:襲雷を予測するためには、ピンポイント性、リアルタイム性が要求されます。今回、グラフェン電界センサの超高感度化の研究を進め、音羽電機工業株式会社と共同で、学校、消防、自治体などに襲雷予測システムを設置し、地域社会の持続的な発展に貢献していきたいと思います。
令和2年11月20日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/11/20-1.html創立30周年記念 JAIST World Conference 2020を開催
11月9日(月)・10日(火)の2日間、本学創立30周年を記念して、JAIST World Conference 2020として「International Symposium for Innovative Sustainable Materials」及び「The 7th International Symposium for Green-Innovation Polymers (GRIP2020)」が合同で開催されました。
両シンポジウムは、本学のエクセレントコア「サスティナブルマテリアル国際研究拠点」による国際シンポジウムで、国内外からの招待講演者や本学教員による持続可能な低炭素社会の実現に向けたポリマー材料等に関する最先端の研究発表のほか、本学学生及び、金沢大学と本学との連携事業であるGSC(Global Science Campus)の下で指導を受けた県内の高校生によるポスターセッションが行われました。
本シンポジウムには、2日間でオンラインを含め76人が参加し、活発な議論の場となりました。
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シンポジウムの様子 |
令和2年11月16日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/11/16-1.html北陸先端大を運営会場として国際学会「SSDM2020」をオンライン開催
9月27日(日)~9月30日(水)にかけて、2020 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM2020)が北陸先端大を運営会場としてオンライン開催されました。
SSDMは、日本の半導体産業にも多大な貢献のある同分野におけるアジア地域最大の国際学会です。固体素子・材料の科学と技術を幅広くカバーしており、日本で開催されている国際会議の中で最も伝統のあるものの一つでもあります。
SSDM2020は、当初、北陸地区では初めてとなる富山県での開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの影響により、オンラインでの実施に変更となりました。
今回、事前登録者だけでも700名を超える参加者が集まり、情報通信技術(ITC)分野や、太陽光発電・バッテリーなどのエネルギーイノベーション・ライフイノベーションの応用分野などのさまざまな分野から研究者や技術者が参加し、開催期間中340件を超える研究発表が行われました。
オンライン開催であったSSDM2020は、指揮・統括を行う拠点であるバックオフィスを、共催機関である北陸先端大に設置し、実行委員長である水田教授(環境・エネルギー領域)、赤堀准教授(応用物理学領域)らを中心に、北陸先端大及び金沢大学の教員、学生が一丸となり、最大で10セッションがパラレルで進行する、大規模な国際学会の運営にあたりました。
バックオフィスで実際に運営にあたった近隣大学の学生らは、通常の学会運営とは異なるトラブルに見舞われることもありましたが、他大学の教員や留学生から研究発表とは違った刺激を受け、積極的に運営に取組んでいるようでした。
また、富山大学、富山県立大学や川崎市の株式会社東芝にもサテライトオフィスを設置し、学会運営やトラブル等への対応を行いました。
次回のSSDM2021は、2021年9月6日から9日の日程で、札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)で開催予定です。
バックオフィスで運営にあたる教員や学生の様子
令和2年10月2日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/10/02-2.html物質化学領域の松村研究室の論文が国際学術誌の表紙に採択
物質化学領域の松村研究室の論文が英国王立化学会(RSC)刊行のJournal of Materials Chemistry B誌の 表紙(inside front cover)に採択されました。
本研究成果はタイ王国チュラロンコン大学との協同教育プログラムによるものです。
■掲載誌
J. Mater. Chem. B, 2020, 8, 7904-7913 掲載日2020年8月13日
■著者
Wichchulada Chimpibul(松村研修了生), Tadashi Nakaji-Hirabayashi, Xida Yuan(松村研博士後期課程2年)and Kazuaki Matsumura*
■論文タイトル
Controlling the degradation of cellulose scaffolds with Malaprade oxidation for tissue engineering
■論文概要
再生医療では、幹細胞を体外で培養し機能化を行った後に再度移植し疾患を治療する際に細胞培養用の足場材料を使用します。一般的には動物性のコラーゲンや合成高分子などが利用されていますが、安全性や機能性に改善の余地があると言われています。
本研究では、自然界に豊富にあるセルロースを酸化することで生体内分解性を付与することに成功し、安全かつ高機能な細胞培養足場材料として再生医療分野での利用を提案しています。
表紙詳細:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2020/tb/d0tb90155e#!divAbstract
論文詳細:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2020/tb/d0tb01015d#!divAbstract
令和2年9月18日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/09/18-1.html物質化学領域の松村研究室の論文がBiomacromolecules誌の表紙に採択
物質化学領域の松村研究室の論文がアメリカ化学会(ACS)刊行のBiomacromolecules誌の表紙に採択されました。
なお、本研究成果は日本学術振興会科研費(基盤研究A、B)、キヤノン財団産業基盤の創生、大学連携バイオバックアッププロジェクトによる支援を受け行われたものであり、また澁谷工業株式会社、農業食品産業技術総合研究機構、鹿児島大学との共同研究によるものです。
■掲載誌
Biomacromolecules, Vol. 21, No. 8 , 2020 掲載日2020年8月10日
■著者
Kazuaki Matsumura*, Sho Hatakeyama(松村研修了生), Toshiaki Naka, Hiroshi Ueda, Robin Rajan(松村研助教), Daisuke Tanaka, Suong-Hyu Hyon
■論文タイトル
Molecular Design of Polyampholytes for Vitrification-Induced Preservation of Three-Dimensional Cell Constructs without Using Liquid Nitrogen
■論文概要
本研究では、疎水性を付与することで両性電解質高分子による水の低温でのガラス状態安定化効果を向上させることに成功し、その効果を用いて三次元細胞塊であるスフェロイドを、液体窒素を用いずに冷凍庫にてガラス化保存することに成功しました。この手法により、再生組織のビルディングブロックとして注目されている幹細胞スフェロイドを安定的に簡便に長期間保存することが可能となり、組織再生のオートメーション化の第一歩として重要な技術となります。
表紙詳細:https://pubs.acs.org/toc/bomaf6/21/8
論文詳細:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.biomac.0c00293
令和2年8月11日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/08/11-1.html環境・エネルギー領域の大平教授の研究課題がNEDO「太陽光発電主力電源化推進技術開発」に採択
環境・エネルギー領域の大平 圭介教授の研究課題が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「太陽光発電主力電源化推進技術開発」の研究開発項目(I)太陽光発電の新市場創造技術開発/(ⅱ)壁面設置太陽光発電システム技術開発に採択されました。
太陽光発電の主力電源化に向けて、需要地に近接しているが従来の技術では太陽光発電の導入が進んでいなかった場所を利用可能にするための太陽光発電システム開発や、長期安定的な事業運営確保として現在顕在化している課題解決のための技術開発が求められています。
NEDOではこれらの開発を推進するため、「太陽光発電主力電源化推進技術開発」において(i)フィルム型超軽量太陽電池の開発、(ii)壁面設置太陽光発電システム技術開発、(iii)移動体用太陽電池の研究開発での公募を実施し、今回、33テーマを採択しました。
*詳しくは、NEDOホームページをご覧ください。
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100292.html
■研究課題名
多機能・高品質薄膜の利用による壁面太陽電池モジュールの長寿命化
■研究期間
2020年7月~2023年3月(継続の可能性あり)
■研究概要
建造物の壁面に設置するタンデム型太陽電池モジュールの発電性能および意匠性に関し、建造物と同等の寿命を達成するための要素技術開発を行う。本学で長年研究を行っている、触媒化学気相堆積(Cat-CVD)法で形成する窒化Si膜は、100℃程度の低温製膜でも高い膜密度が得られ、膜自体の長期安定性と、高いガスバリア性能を発揮する。この窒化Si膜をタンデムセル上に形成し、タンデムセルの色調安定化と水蒸気浸入による発電性能低下の抑止を達成するための基盤技術確立を目指す。また、再委託先である岐阜大学では、酸化Si膜を塗布法によりモジュールのカバーガラス上に形成し、防汚性能、反射低減性能等を付与する検討を行う。
■採択にあたって一言
建造物の壁面に設置する太陽電池モジュールの開発は、いわゆるネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を実現するために、大変重要な研究です。今回、同時に採択された新潟大学、青山学院大学、再委託先である岐阜大学とも連携の上、本学の技術の強みを生かしつつ研究開発を進め、太陽光発電の普及拡大に貢献していきたいと思います。
令和2年7月31日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/07/31-1.html環境・エネルギー領域の金子研究室学生のKulisara Budpudさんらの論文がSmall誌 (WILEY) の表紙に採択
環境・エネルギー領域の金子研究室博士後期課程学生ブッドプッド クリサラさん、桶葭 興資准教授、岡島 麻衣子研究員、金子 達雄教授らの「多糖膜が超らせん構造によって湿度変化に瞬間応答-ナノスケールから再組織化-」に係る論文がSmall誌 (WILEY) の表紙に採択されました。
■掲載誌
Small, volume 16, issue 29 (2020) 掲載日:2020年7月23日
■著者
Kulisara Budpud, Kosuke Okeyoshi*, Maiko K Okajima, Tatsuo Kaneko*
■論文タイトル
Vapor‐Sensitive Materials from Polysaccharide Fibers with Self‐Assembling Twisted Microstructures
■論文概要
本研究では、シアノバクテリア由来の多糖サクランを用いて、水中で自ら形成するマイクロファイバーが乾燥時に2次元蛇行構造、3次元らせん構造など高秩序化することを見出すとともに、さらにこの構造を利用して、水蒸気をミリ秒レベルで瞬間感知して屈曲運動を示すフィルムの作製に成功しました。天然由来の代表物質でもある多糖をナノメートルスケールから再組織化材料としたこととしても意義深く、光合成産物の多糖を先端材料化する試みは、持続可能な社会の構築のための重要なステップとなります。
論文詳細:
https://doi.org/10.1002/smll.202001993
https://doi.org/10.1002/smll.202070159
プレスリリース本文:
https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2020/06/11-1.html
令和2年7月29日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/07/29_5.html物質化学領域の都准教授らの論文がAdvanced Intelligent Systems 誌の表紙に採択
物質化学領域の都 英次郎准教授、谷池 俊明准教授、西村 俊准教授らの「昆虫機能を模倣したミリメータースケールのロボット(ミリボット)」に係る論文が、Advanced Intelligent Systems誌の表紙に採択されました。なお、本研究成果は日本学術振興会科研費[基盤研究A、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]の支援のもと行われたものです。
■掲載誌
Advanced Intelligent Systems
■著者
Sheethal Reghu, Hui You, Kalaivani Seenivasan, Shun Nishimura, Toshiaki Taniike, Eijiro Miyako*
■論文タイトル
Design and control of bioinspired millibots
■論文概要
本研究は、マグネタイト、ゼオライト イミダゾリウム フレームワーク-8(ZIF-8)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る機能性ナノコンポジットを開発し、光や磁場といった外部刺激によって機能制御可能なミリメータースケールのロボット(ミリボット)を作製しました。本ミリボットは、昆虫の様々な動きや機能からインスピレーションを得ており、例えば、アメンボのように水面上をスイスイと動くなど、多彩な性能を発揮します。
論文詳細:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/aisy.202000059
令和2年7月22日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/07/22-1.html物質化学領域の都准教授らの論文がAngewandte Chemie International Edition誌の表紙に採択

物質化学領域の都 英次郎准教授らの論文がAngewandte Chemie International Edition誌の表紙に採択されました。なお、本研究成果は日本学術振興会科研費[基盤研究A、基盤研究B、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]、フランス国立研究機構、グラフェンフラッグシップ、スペイン財務省、バレンシア州自治政府の支援のもと、フランス国立科学研究センターと行われた共同研究によるものです。
■掲載誌
Angewandte Chemie International Edition
■著者
Matteo Andrea Lucherelli, Yue Yu, Giacomo Reina, Gonzalo Abellán, Eijiro Miyako*, Alberto Bianco*
■論文タイトル
Rational chemical multifunctionalization of graphene interface enhances targeting cancer therapy
■論文概要
本研究は、三種類の機能性分子(近赤外蛍光プローブ、抗ガン剤、腫瘍マーカー認識分子)をグラフェン表面上に一度に化学修飾できること、そしてその合理的な分子設計に基づいた効果的なガン分子標的治療技術への応用の可能性を示した。なお、本研究成果は、JAISTホームページからプレスリリースしている。
論文詳細:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/anie.201916112
表紙詳細:
https://doi.org/10.1002/anie.202007535
プレスリリース:
https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2020/04/23-1.html
令和2年6月25日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/06/25-1.html物質化学領域の都准教授らの研究成果がCell Pressよりプレスリリース

物質化学領域の都 英次郎准教授の「シャボン玉を利用した花粉交配」に係る研究成果が、iScience誌(Cell Press)に掲載されました。また、本研究成果は、Cell Pressから独創的な技術としてプレスリリースされ、Science、CNN、BBC、New York Timesといった数多くの情報メディアに注目の記事として取り上げられました。なお、本研究成果は日本学術振興会科研費[基盤研究A、基盤研究B、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]の支援のもと行われたものです。
図. カンパニュラのめしべ柱頭に付着している機能性シャボン玉の写真。
シャボン玉の膜表面に花粉粒子が搭載されている。
■掲載誌
iScience
■著者
Xi Yang, Eijiro Miyako*
■論文タイトル
Soap bubble pollination
■論文概要
近年、作物の授粉を担うミツバチ等の花粉媒介昆虫の減少が、食糧危機に関わる世界規模の社会問題になっている。昆虫による生物花粉交配の代替手段として、人の手による人工授粉が行われているが、手間と労力が掛かる。本研究では、花粉粒子を活性化させ、かつ使用花粉量を削減可能な機能性シャボン玉と自律制御可能なロボット技術(ドローン)を組み合わせた人工花粉交配法の開発に取り組んだ。
論文詳細:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004220303734
Science:
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/drone-delivered-soap-bubbles-could-help-pollinate-flowers
CNN:
https://edition.cnn.com/2020/06/17/world/soap-bubble-robotic-pollination-study-scn/index.html
BBC:
https://www.bbc.com/news/science-environment-53081194
New York Times:
https://www.nytimes.com/2020/06/17/science/bubbles-pollinating-bees.html
令和2年6月18日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/06/18-1.html物質化学領域の都准教授らの研究成果がAdvanced Science Newsで紹介
物質化学領域の都 英次郎准教授、谷池 俊明准教授、西村 俊准教授らの「昆虫機能を模倣したミリメータースケールのロボット(ミリボット)」に係る研究成果が、Advanced Intelligent Systems 誌(Wiley社)に掲載され、Advanced Science Newsにてハイライトされました。なお、本研究成果は日本学術振興会科研費[基盤研究A、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]の支援のもと行われたものです。
■掲載誌
Advanced Intelligent Systems
■著者
Sheethal Reghu, Hui You, Kalaivani Seenivasan, Shun Nishimura, Toshiaki Taniike, Eijiro Miyako*
■論文タイトル
Design and control of bioinspired millibots
■論文概要
本研究は、マグネタイト、ゼオライト イミダゾリウム フレームワーク-8(ZIF-8)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る機能性ナノコンポジットを開発し、光や磁場といった外部刺激によって機能制御可能なミリメータースケールのロボット(ミリボット)を作製しました。本ミリボットは、昆虫の様々な動きや機能からインスピレーションを得ており、例えば、アメンボのように水面上をスイスイと動くなど、多彩な性能を発揮します。
論文詳細:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/aisy.202000059
Advanced Science News詳細:
https://www.advancedsciencenews.com/millibots-act-as-artificial-insects/
令和2年6月12日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/06/12_3.html「第10回 化粧品開発展[東京]-COSME Tech 2020 [Tokyo]-」に出展
1月20日(月)~22日(水)の3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)において、化粧品の研究・企画開発に必要な製品が国内外から一堂に出展される「第10回 化粧品開発展[東京] -COSME Tech 2020 [Tokyo]-」が開催されました。
本展示会には、石川県、石川県立大学、金沢工業大学および金沢大学と本学が共同で出展し、本学からは高性能天然由来マテリアル開発拠点/環境・エネルギー領域の金子達雄教授が出展しました。
金子教授は「サクランの機能材料化により持続可能社会の実現に貢献する」というテーマで、サクランを応用して製品化された化粧品等やレーヨン混紡繊維サクレTMについて来訪者に分かり易く紹介しました。
本学ブースには企業関係者をはじめ、大学・研究関係者、一般の方など3日間で280名以上もの方々が来訪され、活発な情報交換の場となりました。


本学出展ブースにて来訪者へ説明・情報交換等を行う様子
令和2年3月10日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/03/10-1.html宮竹小学校の児童が来学 -本学がより身近になりました-

2月4日(火)、能美市立宮竹小学校の3年生24名がJAISTギャラリーや附属図書館の見学を行いました。実際に触って解いて遊ぶことができるパズルの数々や本棚に並ぶ多くの図書に興味津々な様子でした。
また、2月18日(火)に同校の4年生16名が理科特別授業を受けました。
特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となり、液体窒素を用いた様々な科学実験を行いました。
液体窒素によって、花やスーパーボール、乾電池などの身近な物が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。
今回の企画は、科学技術の世界に触れるまたとない機会となりました。

3年生がパズルを体験(JAISTギャラリー)

液体窒素を用いた科学実験を行う4年生
令和2年2月20日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2020/02/20-1.html水田教授らが太陽誘電社とグラフェン超高感度においセンサの共同開発を発表

環境・エネルギー領域の水田 博教授らの研究グループは、 太陽誘電株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:登坂正一、以下太陽誘電)と、グラフェンを用いた超高感度においセンサの共同開発を発表しました。
<発表の概要>
水田教授らの研究グループは、原子層材料グラフェンを用いた独自のNEMS(Nano-Electro-Mechanical Systems: ナノ電子機械システム)技術を用いて、グラフェン表面に物理吸着した単一CO2ガス分子によるグラフェンの微小な電気抵抗変化を、室温で検出時間<1分で高速検出する抵抗検出方式の単分子レベル気相センサの原理検証に成功しています。この抵抗検出方式グラフェンセンサはグラフェンとガス分子間の化学反応を用いておらず、吸着を加速する目的で印加している基板電界を切れば吸着分子は自然に脱離します。つまりセンサのリフレッシュ動作は必要なく、それゆえ素子のライフタイムを飛躍的に長くできます。最近では、この基盤技術を応用展開し、室温大気圧雰囲気下で濃度~500 pptの極薄アンモニアガスに対して、検出時間<10秒で高速検出することにも成功しています。また、グラフェンRF振動子を用いた質量検出方式グラフェンセンサの基盤技術も開発済みです。現在のQCM(Quartz Crystal Microbalance:水晶振動子マイクロバランス)センサの質量検出限界が数ピコグラム(10-12 g)レベルであるのに対して、本研究では、濃度~数ppbのH2/Arガス中で、グラフェン振動子表面に吸着した分子による質量の増加を、室温で100ゼプトグラム(1zg = 10-21 g)レベルで検出することに成功しています。これは、従来のQCMセンサと比較して約7桁の質量感度向上にあたります。
一方、太陽誘電は、これまでQCMを用いたにおいセンサの開発を行ってきました。開発中のセンサシステムは、①QCMセンサアレイモジュール、②センサコントロールユニット、③クラウド処理の3つの構成要素からなっており、①QCMセンサモジュールは、水晶振動子、水晶発振回路、周波数検出回路、流路、ポンプ、BLE(無線)等から構成されています。②センサコントロールユニットは、①QCMセンサモジュールと同時複数(最大32台)接続し、センサデータを取得するとともに、そのデータをクラウドへアップするゲートウェイ機能を有しています。③クラウド処理は、②センサコントロールユニットを介してアップされたセンサデータをニューラルネットワークの機械学習で処理し、においの種類や危険予知、故障予測など人にとって意味のある結果を出力します。しかし、①のQCMセンサの感度は人の嗅覚感度にも達しておらずppm程度の濃度が検出限界であることが課題となっています。
本共同開発においては、両グループの相補的な世界的卓越技術を融合させ(図1参照)、犬や線虫の嗅覚能力に迫るpptレベルの超高感度(図2参照)を可能とするマルチセンサアレイ方式パターン分析超低濃度・超微小量においセンシング技術を開発します。これは太陽誘電の高感度化ロードマップ(図3参照)において、最高感度フェーズの技術として位置づけられています。
図1 太陽誘電株式会社と水田教授グループの共同開発チーム概念図
図2 匂いセンサの応用分野と既存センサの性能および共同開発する超高感度グラフェンセンサのターゲット
図3 太陽誘電株式会社の高感度化ロードマップにおける本共同開発の位置付け
図4 共同開発チームの主メンバー:
左から水田博教授、太陽誘電株式会社開発研究所・機能デバイス開発部の服部将志課長、下舞賢一次長
<今後の展開>
生体・環境などのにおいをシングルppb~pptレベルで識別するグラフェンセンサアレイを室温・高速で動作させ、真のe-Nose技術の実現を目指します。また、これを、①皮膚ガス検知によって未病検出や精神的ストレスモニタを可能とする高機能ヘルスチェックシステムや、②シックハウス症候群の原因となっているVOC(揮発性有機化合物)など生活環境汚染モニタリングシステム開発に発展させ、新たな産業・市場開拓に挑んでまいります。
図5 超高感度グラフェンにおいセンサシステムによる応用展開例
本共同開発事業は、10月23日開催の、粉体粉末冶金協会2019年度秋季大会(第124回講演大会)講演特集『スマートソサイエティを支える高機能電子部品材料』において発表予定です。
*参考:粉体粉末冶金協会2019年度秋季大会(第124回講演大会)ホームページ
令和元年10月23日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2019/10/23-2.html生命機能工学領域の塚原教授の人為的なRNA編集技術に関する研究がライフサイエンス専門誌日経バイオテクONLINEにおいて紹介
生命機能工学領域の塚原 俊文教授の人為的なRNA編集技術に関する研究がライフサイエンス専門誌日経バイオテクONLINEにおいて紹介されました。
■掲載誌
日経バイオテクONLINE
*有料会員制のサイトのため、一部情報のみ無料でご覧いただけます。
■概要
遺伝子疾患の治療法としてゲノム編集技術が注目されているが、現状では全ての標的細胞で目的のDNA編集を引き起こすことはできないため、意図しない遺伝子変異を誘導する危険性がある。そのため、塚原研究室では一過的な分子であるRNAの編集技術の研究に取り組んでいる。今回は、RNAの塩基を配列特異的に脱アミノ化し、遺伝コードを修復する技術について概要を紹介した。
なお、11月21日(木)には本研究に関するセミナーの開催も予定しています。詳細は、こちらをご覧ください。
令和元年10月23日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2019/10/23-1.html物質化学領域の都准教授らの論文がNanoscale Advances誌の表紙に採択

物質化学領域の都 英次郎准教授、YU, Yue特任助教(物質化学領域、都研究室)、YANG, Xi研究員(同領域、同研究室)らの論文がNanoscale Advances誌の表紙に採択されました。なお、本研究成果は日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究A、基盤研究B、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]の支援のもと、株式会社ダイセルと行われた共同研究によるものです。
■掲載誌
Nanoscale Advances
■著者
Yue Yu, Xi Yang, Ming Liu, Masahiro Nishikawa, Takahiro Tei, Eijiro Miyako
■論文タイトル
Anticancer drug delivery to cancer cells using alkyl amine-functionalized nanodiamond supraparticles
■論文概要
ナノスケールの薬物担持体はドラッグデリバリーシステム(DDS)への応用が期待されている。本研究では、アルキルアミンを表面化学修飾したナノダイヤモンド(直径約5 nmの球状粒子)が自己組織化現象によりナノ集合体に変形することを見出した。また、形成されるナノ集合体の粒子径は、導入するアルキルアミンの鎖長を変えることで、およそ20 nmから90 nmの範囲内で容易に調整できることがわかった。一方、当該ナノダイヤモンド集合体に抗ガン剤(カンプトテシン)を封入し、薬物担持体としての機能を調査したところ、ポリエチレングリコールを修飾したポリマーミセルやリン脂質系のナノエマルジョンといった従来からDDSに良く利用されているナノキャリアと比較して、より効果的な抗がん活性を示すことが細胞やマウスを用いた実験より明らかとなった。
本研究成果により、がん医療に向けたナノダイヤモンド集合体を活用する機能性ナノメディシンの実現が期待される。
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令和元年9月12日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2019/09/12-1.html