研究活動の検索
研究概要(研究室ガイド)やプレスリリース・受賞・イベント情報など、マテリアルサイエンスの研究室により公開された情報の中から、興味のある情報をタグや検索機能を使って探すことができます。OIST-JAIST Joint Symposiumを開催
11月27日(水)、沖縄科学技術大学院大学(以下「OIST」という。) にて、OIST-JAIST Joint Symposiumを開催しました。
OISTと本学(JAIST)は、令和5年度に学術協力に関する基本協定を締結して両大学間の学術協力の強化を進めてきましたが、この度、両大学間の共同研究の発展と促進を目的に共同シンポジウムを開催しました。
"Collaborative Innovation for a Sustainable Future through Advanced Materials Science"をテーマに開催した今回のシンポジウムは、OIST カリン マルキデス 学長及び御手洗 哲司 研究担当ディーンによる開会挨拶後、OIST 細胞シグナルユニット 山本 雅 教授、本学 超越バイオメディカルDX研究拠点 栗澤 元一 教授、OIST パイ共役ポリマーユニット クリスティーヌ ラスカム 教授、本学 マテリアルズインフォマティクス国際研究拠点長 谷池 俊明 教授から、それぞれ先進的な研究についてご講演いただき、OIST エイミー シェン プロボスト及び本学 永井 由佳里 理事(研究振興、社会連携担当)の挨拶をもって閉会となりました。
本シンポジウムが現地のみの開催であったにも関わらず、両大学から約50名の参加がありました。また、質疑応答の時間だけでなく、コーヒーブレイク中にも多くの研究者間で活発な意見交換が行われました。
シンポジウム終了後には、同日OISTと金沢大学ナノ生命科学研究所(NanoLSI)が開催していた8th NanoLSI Symposiumのポスターセッションに本シンポジウム参加者も出席しました。本学からは6名の研究者がポスターセッションにおいて、自身の研究成果を発表しました。同ポスターセッションには、OIST、NanoLSI、本学から総勢80名程の研究者が参加し、多角的な意見交換を繰り広げました。
本シンポジウムの開催は、今後の両大学間での強固な研究連携の構築を目指す上で、大変有意義なものとなりました。本シンポジウムが端緒となり、今後両大学間で新たな研究プロジェクトの発足等、持続可能な共同研究体制が築かれるよう、より一層注力して参ります。


開会の挨拶をするOIST マルキデス学長(左)と御手洗研究担当ディーン(右)

講演① "Development of a New
Methodology of Cancer Chemotherapy"
山本 雅 教授(OIST 細胞シグナルユニット)

講演② "Enhancing Healing Power with Green Tea Nanomedicine for Treatment of Intractable Diseases"
栗澤 元一 教授(本学 超越バイオメディカルDX研究拠点)

講演③ "Dual-catalytic Reactions to Promote Previously Inaccessible Reactions"
クリスティーヌ ラスカム 教授
(OIST パイ共役ポリマーユニット)

講演④ "Streaming Materials Discovery by High-Throughput Experimentation and Machine Learning"
谷池 俊明 教授(本学 マテリアルズインフォマティクス国際研究拠点)


閉会の挨拶をするOIST シェンプロボスト(左)と本学 永井理事(右)

OIST、NanoLSI、本学のポスターセッション
令和6年12月6日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/12/06-2.html修了生の本保さんらの論文がACS Applied Polymer Materials誌のSupplementary Coverに採択

修了生の本保徹也さん(平成31年3月、博士前期課程修了、長尾研究室)、小野祐太朗さん(平成30年3月、博士後期課程修了、長尾研究室)、物質化学フロンティア研究領域の青木 健太郎助教、長尾 祐樹教授らの論文が、ACS(アメリカ化学会)出版刊行のACS Applied Polymer Materials誌のSupplementary Coverに採択されました。
■掲載誌
ACS Applied Polymer Materials 2024, Volume 6, Issue 21
掲載日:2024年11月8日
■著者
Tetsuya Honbo, Yutaro Ono, Kota Suetsugu, Mitsuo Hara, Attila Taborosi, Kentaro Aoki, Shusaku Nagano, Michihisa Koyama, and Yuki Nagao*
■論文タイトル
Effects of Alkyl Side Chain Length on the Structural Organization and Proton Conductivity of Sulfonated Polyimide Thin Films
■論文概要
アルキルスルホン化ポリイミドのアルキル側鎖長を系統的に制御することで、一定の吸水量でラメラ組織間距離が線形的に拡大することを明らかにした。また、高プロトン伝導性、化学的安定性および耐水性を実現する最適な側鎖長も明らかにした。
論文詳細:http://dx.doi.org/10.1021/acsapm.4c02490
表紙詳細:https://pubs.acs.org/toc/aapmcd/6/21
令和6年11月28日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/11/28-1.html学生のZHOUさんがICAMT 2024にてBest Poster Awardを受賞
学生のZHOU, Jiabeiさん (博士後期課程3年、物質化学フロンティア研究領域、山口政之研究室) がInternational Conference on Advanced Materials and Technology (ICAMT 2024)にてBest Poster Awardを受賞しました。
ICAMT2024は、令和6年10月9日~12日にかけて、ベトナム(ハノイ)にて、ハノイ工科大学の材料工学部設立を記念して開催された国際会議です。同会議では、さまざまな先端材料分野の専門家が集まり、材料科学・工学に関する最新の研究成果について議論が行われました。
■受賞年月日
令和6年10月10日
■研究者、著者
Jiabei Zhou(周 佳貝), Kenji Takada, Tatsuo Kaneko and Masayuki Yamaguchi
■研究題目、論文タイトル等
Enhanced mechanical performance of high thermoresistance polybenzimidazole film by pore-construction
■受賞対象となった研究の内容
スーパーエンジニアリングプラスチックの中でも特に高性能材料に位置づけられるポリベンズイミダゾール(以下、PBI)は、優れた耐熱性と耐薬品性を備えているため、様々な分野で関心を持たれている。金属と比して遥かに軽量であるPBIはバイオベースプロセスでも合成できるため、省・再生エネルギーの目標の実現や、軽量化社会構築に大きく貢献すると期待されている。ただし、キャスト法で得られたPBIフィルムは、特徴的なパターンの形成による不均質化が生じ応用範囲が限られていた。本研究では、PBIフィルムの不均質化の改善に着目し、ナノ粒子分散かつポア形成という手法で改善することに成功した。
■受賞にあたって一言
この度は、ICAMT 2024国際会議におきまして、このような賞をいただけたことを大変光栄に思います。本研究の遂行にあたり、日頃よりご指導をいただいている山口政之教授、研究室の皆さんにこの場をお借りして心より御礼を申し上げます。さらに、多くのご助言をいただきました研究室のメンバーに深く感謝いたします。


令和6年11月19日
高分子ネットワークで人工光合成

高分子ネットワークで人工光合成
北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野稔、石川県能美市)サスティナブルイノベーション研究領域の萩原礼奈大学院生(博士後期課程)、桶葭興資准教授、東京大学(総長・藤井輝夫、東京都文京区)大学院工学系研究科の吉田亮教授の研究グループは、人工光合成ゲルの研究について特集論文を発表しました。 |
これまでの人工光合成[用語解説1]の研究では、有機/無機にかかわらず様々な物質群の探索と電子移動の向上に注力されてきました。しかし、その反応が起こる液相では、分子集団としての振る舞いが無秩序のため、拡散律速によるエネルギー損失が問題でした。一方、実際の光合成を行う葉緑体では、その内部に在るチラコイド膜によって区画されたナノ空間があります。この膜上では複数の分子団の位置関係が絶妙に制御されており、化学反応場として必要不可欠です。このような空間制御を可能とするシステムとしてゲル相は有用であり、ハイドロゲル[用語解説2]の網目構造は高いポテンシャルを持ちます(図)。事実、光エネルギー捕集分子、電子伝達分子、触媒分子など複数の機能団に高分子の網目構造を精密に導入することで、能動的な電子輸送が可能となります。例えば、光エネルギーによる水の分解には、同時に複数の電子が輸送される必要があり、多数の酸化還元反応が伴います。この化学反応が起こる場に、刺激応答性高分子[用語解説3]の網目を導入することで、反応に伴った高分子の伸び縮みを利用することができます。これによって電子の能動輸送が実現します。実際、光エネルギーによって水を分解して酸素発生や水素発生するゲルシステムが提案されました。
この人工光合成ゲルは、外界からのエネルギーや物質の授受が可能な開放系マテリアルで、生物に倣った物質システムです。今後も、高分子ネットワークを活用した機能性材料の設計は、様々なエネルギー変換システムの構築など、持続可能な社会の実現に資するものと考えられます。
本成果は、2024年11月1日(英国時間)に科学雑誌「Chemical Communications」誌(RSC社)のオンライン版で公開されました。また、本研究は、日本学術振興会科研費 挑戦的研究(萌芽)(JP21K18998)の支援のもと行われました。
図:葉緑体にヒントを得た人工光合成ゲルの概念図。A. 葉緑体の内部では、チラコイド膜に4つのタンパク質が連携して酸化還元反応を起こし、電子伝達が達成されている。B. 水の可視光分解に必要な4つの機能団を高分子ネットワークに組み込んだ概念図。 |
【論文情報】
掲載誌 | Chemical Communications (The Royal Society of Chemistry) |
論文題目 | Bioinspired hydrogels: polymeric designs towards artificial photosynthesis |
著者 | Reina Hagiwara, Ryo Yoshida, Kosuke Okeyoshi* |
DOI | 10.1039/d4cc04033c |
掲載日 | 2024年11月1日付、オンライン版(オープンアクセス) |
【関連論文】
精密な高分子設計による能動的電子輸送が終始可能に
-高分子が触手のように電子を授受-(2023.12.14 プレスリリース)
https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2023/12/14-1.html
高分子の"伸び縮み"で「人工光合成」を加速する!
-電子伝達を制御する高分子の相転移(2019.6.12 Academist Journal)
https://academist-cf.com/journal/?p=11128
高分子の相転移を利用した人工光合成に成功
-可視光エネルギーによる高効率な水素生成を達成-(2019.5.15 プレスリリース)
https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2019/05/15-1.html
【用語解説】
令和6年11月6日
出典:JAIST プレスリリース https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2024/11/06-1.html「北陸技術交流テクノフェア2024」に出展しました
10月17日(木)~18日(金)の2日間、福井県産業会館(福井県福井市)にて、業種・分野・地域を超え、様々な企業・大学・研究機関等が一堂に会する北陸最大級の総合展示会である「北陸技術交流テクノフェア2024」が開催され、本学からは超越バイオメディカルDX研究拠点(eMEDX)がブース出展を行いました。
ブースには、企業、教育、行政関係者を中心とし、幅広い分野の方々からの訪問(49名: 42機関)があり、大変盛況な様子でした。


ブースの様子
令和6年11月5日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/11/05-2.html学生の加藤さんがSLTB2024においてPoster Awardを受賞

学生(JAIST-Spring研究員)の加藤裕介さん(博士後期課程2年、物質化学フロンティア研究領域、松村研究室)が、60th Anniversary Meeting of the Society for Low Temperature Biology (SLTB2024)において、Poster Awardを受賞しました。
本研究成果は、次世代研究者挑戦的研究プログラム(JAIST-SPRING)の支援のもと行われたものです。
SLTB2024は、令和6年9月11日~13日にかけてイギリスのマンチェスター大学にて開催された低温生物学に関する国際会議です。今回は低温生物学会(SLTB)60周年の記念会議となり、特に低温生物学会の歴史と持続可能なバイオバンクについて焦点が当てられ、生物、物理、化学など様々な分野からのアプローチによる低温環境での生物の生命現象に関する最新の研究成果について議論が行われました。
※参考:SLBT2024
■受賞年月日
令和6年9月12日
■研究題目、論文タイトル等
Cryopreservation with intracellularly introduced polymeric cryoprotectants and extracellular non-permeable small molecule cryoprotectants
■研究者、著者
加藤裕介、松村和明
■受賞対象となった研究の内容
細胞や組織の凍結保存を達成するためには、細胞内の氷晶形成を抑制することが重要と言われている。この研究では、その目的のために凍結保護高分子を細胞内に導入することにより、細胞外保護剤との相乗的保護効果を得ることに成功した。
■受賞にあたって一言
このたびはSLTB2024にてPoster Awardを戴き、大変光栄に存じます。本研究の遂行にあたり、丁寧なご指導を賜りました松村和明教授に、この場を借りて心より御礼申し上げます。また、多くのご助言をいただきました研究室の皆様に、深く感謝いたします。
令和6年10月31日
出典:JAIST 受賞https://txj.mg-nb.com/whatsnew/award/2024/10/31-1.htmlNewsweek(ニューズウィーク)日本版に都教授の研究に関する記事が掲載されました
Newsweek(ニューズウィーク)日本版のウェブサイトに、物質化学フロンティア研究領域の都英次郎教授らの研究で、生物・化学系トップジャーナル「Chemical Engineering Journal」誌に10月7日に掲載された論文に関する記事が掲載されました。
Newsweek(ニューズウィーク)日本版
掲載日:10月16日
記事名:「『阿吽の呼吸』でがん退治する抗腫瘍細菌」をさらにパワーアップさせた「遊び心」とは?
リンク:https://www.newsweekjapan.jp/akane/2024/10/post-96_1.php
関連プレスリリース:
https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2024/10/09-1.html
https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2023/05/08-1.html
令和6年10月29日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/10/29-1.html学生の山崎さんが第75回コロイドおよび界面化学討論会においてポスター賞を受賞

学生の山崎隼佑さん(博士後期課程1年、バイオ機能医工学研究領域、濱田研究室)が第75回コロイドおよび界面化学討論会においてポスター賞を受賞しました。
第75回コロイドおよび界面化学討論会は、公益社団法人日本化学会コロイドおよび界面化学部会が主催し、「先端計測・解析が切り拓くコロイド・界面の新展開」をテーマとして、令和6年9月17日〜20日にかけて東北大学にて開催されました。
ポスター賞は、35歳以下の大学生(学部生、大学院生)、大学や研究所、企業等の研究員、助教などによるポスター発表のうち、特に優れた発表を行った発表者に対し授与されるものです。
※参考:第75回コロイドおよび界面化学討論会
■受賞年月日
令和6年9月18日
■研究題目、論文タイトル等
ジャイアントリポソームによる膜相分離の安定性解析-浸透圧による誘導とポリマーブラシによる抑制競合-
■研究者、著者
山崎隼佑、水野志野、濱田勉
■受賞対象となった研究の内容
生体膜における相分離現象の外部刺激応答及びその制御機構の理解に向けて研究を行っている。本研究では、生体膜モデルとしてポリマーブラシを膜面に持つ人工膜リポソームを作成し、浸透圧による相分離誘起について研究を行った。ポリマー密度や温度、リポソームサイズを変化させた際の相分離変化を解析することで、脂質2分子膜の相分離を制御する物理化学的パラメータを明らかにした。
■受賞にあたって一言
この度は、ポスター賞を受賞でき、大変うれしく思っています。日々、熱心に指導してくださる濱田勉准教授及び研究室のメンバーに深くお礼申しあげます。今後も、膜の挙動についての研究を進めていきます。
令和6年10月25日
出典:JAIST 受賞https://txj.mg-nb.com/whatsnew/award/2024/10/25-1.html「BioJapan 2024」に出展
10月9日(水)~11日(金)の3日間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー展である「BioJapan 2024」が開催され、本学からは超越バイオメディカルDX研究拠点(eMEDX)長の松村 和明教授が出展しました。
紹介ブースには、製造、企業、教育、行政関係者を中心とし、幅広い分野の方々から訪問いただき (58名: 48機関)、マッチング活動も行いました (9名: 5機関)。セミナーには19名の参加があり、大変盛況な様子でした。
また、「ARIM 次世代バイオマテリアル拠点」のスポーク機関として、バイオ機能医工学研究領域の山口 拓実准教授がARIM設備の利用法と本学の成果事例の紹介を行いました。



ブースおよびセミナーの様子
令和6年10月25日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/10/25-1.html穴水町立向洋小学校にてリフレッシュ理科教室に参画

10月4日(金)に、公益社団法人応用物理学会主催の能登半島地震被災地支援出張リフレッシュ理科教室が石川県穴水町立向洋小学校で開催され、本学から、ナノマテリアル・デバイス研究領域の安 東秀准教授が参画し、活動支援にあたりました。
趣旨:
本理科教室は、令和6年1月1日に発生した能登半島地震により被災した穴水町の向洋小学校児童・教員、および保護者の慰問、励ましを第一の目的として、応用物理学会のリフレッシュ理科教室WGが各支部・分科会に参加を募って実施するものです。
併せて、応用物理学会が青少年の理科離れを憂慮し開催している「リフレッシュ理科教室」の理念も念頭に置き、小中学校の先生の理科教育に関するリフレッシュ(物理現象の体験とその原理の理解を通じて理科教育を考える)と、実験工作を自ら体験することによって、参加児童が理科への興味と、自然現象・物理現象への理解を高める機会を提供することを目的としています。
演示実験と工作テーマ:
演示実験:「空気のサイエンスショー」
工作:低学年用(1、2、3年生)
怪力ボックス(パスカルの原理によるエアジャッキ)
高学年用(4、5、6年生)
リサイクルスライダー(磁石利用による鉄、アルミ、プラスチック分別)
最初に、体育館で全生徒38名を対象に空気の圧力を感じるサイエンスショーが実演されました。空気や水の力でさまざまな球や重いものを持ち上げる実験では、ボウリングの球を持ち上げた際に、子どもたちから大きな歓声があがっていました。
その後、低学年16名が空気の力で重いものを持ち上げる「怪力ボックス」を作製しました。高学年21名はフェライト磁石、ネオジウム磁石を用いて、スチール、アルミニウム、プラスチックコイン等の異なる材質のコインを仕分ける「リサイクルスライダー」を作製しました。
最後に修了式が行われ、様々な実験手法が掲載された工作の本、自分の名前入り鉛筆セット等がプレゼントされました。
各演示実験と工作テーマのいずれも、動きや変化がわかりやすいように工夫されており、児童が楽しく、面白く感じられる内容となっていました。今後も応用物理学会のリフレッシュ理科教室WGと連携して参加(主催も含めて)を検討していきます。






令和6年10月21日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/10/21-4.html物質化学フロンティア研究領域の都教授らの論文がSmall Science誌の表紙に採択
物質化学フロンティア研究領域の都 英次郎教授らの「がんを欺くためのがん細胞の顔をしたナノ粒子の開発に成功」に係る論文が、生物・化学系のトップジャーナルSmall Science誌の表紙に採択されました。なお、本研究は、文部科学省科研費 基盤研究(A)(23H00551)、文部科学省科研費 挑戦的研究(開拓)(22K18440)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果最適展開支援プログラム (A-STEP)(JPMJTR22U1)、公益財団法人発酵研究所、公益財団法人上原記念生命科学財団、ならびに本学超越バイオメディカルDX研究拠点、本学生体機能・感覚研究センターの支援のもと行われたものです。
■掲載誌
Small Science, Vol. 4, No. 10
掲載日:2024年10月6日
■著者
Nina Sang, Yun Qi, Shun Nishimura, Eijiro Miyako*
■論文タイトル
Biomimetic Functional Nanocomplexes for Photothermal Cancer Chemoimmunotheranostics
■論文概要
本研究では、カーボンナノホーン表面にがん細胞成分と抗がん剤を被覆したナノ粒子の作製に成功しました。得られたナノ粒子は、ナノ粒子特有のEPR効果のみならず、がん細胞成分に由来する血中滞留性、腫瘍標的能によって、大腸がんを移植したマウス体内の腫瘍内に効果的に集積し、がん細胞成分に由来する免疫賦活化効果と抗がん剤に由来する薬効に加え、生体透過性の高い近赤外レーザー光により、がん患部の可視化と光熱変換による多次元的な治療が可能であることを実証しました。さらに、マウスを用いた生体適合性試験などを行い、いずれの検査からもナノ粒子が生体に与える影響は極めて少ないことがわかりました。当該ナノ粒子と近赤外レーザー光を組み合わせた新たながん診断・治療技術の創出が期待されます。
表紙詳細:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/smsc.202470043
論文詳細:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smsc.202400324
プレスリリース:https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2024/08/22-1.html
令和6年10月11日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/10/11-1.html夢のマイホームを細菌が手に入れたら・・・細菌の抗がん性能が劇的に向上することを発見

夢のマイホームを細菌が手に入れたら・・・
細菌の抗がん性能が劇的に向上することを発見
【ポイント】
- 水槽用ろ過材を使って細菌を培養すると細菌の薬剤耐性乳腺がんモデルマウスに対する抗がん活性と生体適合性が劇的に向上することを発見
- ろ過材に含まれる微量の光触媒(酸化チタン)が細菌の抗がん性能を高めることを発見
- 酸化チタンを内包した多孔質高分子複合材料を基材とするAUNの簡便な培養方法の樹立に成功
- 大動物を用いた安全性評価によってAUNの高い生体適合性を実証
北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野 稔、石川県能美市)物質化学フロンティア研究領域の都 英次郎教授と宮原 弥夏子大学院生(博士後期課程、JAIST SPRING研究員)らは、ろ過材を使って培養した細菌の薬剤耐性乳腺がんモデルマウスに対する抗がん活性と生体適合性が向上することを発見した。また、ろ過材に含まれる微量の光触媒(酸化チタン)が細菌の抗がん性能を高めるというメカニズムを見出したことで、酸化チタンを内包した多孔質高分子複合材料を基材とするAUNの簡便な培養方法の樹立に成功した。さらに、大動物を用いた安全性評価によってAUNの高い生体適合性を実証した。 |
【研究背景と内容】
人生で一番大きな買い物といえば、家を思い浮かべる方が多いだろう。もしこの夢のマイホーム(水槽用ろ過材)を細菌に与えてみると抗がん作用がどうなるのか、本研究は、そんな遊び心からスタートした。
アクアリウム愛好家の間では、金魚や熱帯魚の飼育における水槽内の水質浄化にろ過材を使用することが多い。ろ過材の役割とは、水質を汚染するアンモニアを分解する細菌の繁殖を助ける"住処(家)"を提供することであり、様々な形や種類のろ過材がペットショップ等で安価に入手することができる。なお、これまでろ過材を使用して培養した細菌を水質浄化以外の目的で利用されることは本研究を除いて未だかつて報告がない。
近年、低酸素状態の腫瘍内部で選択的に集積・生育・増殖が可能な細菌を利用したがん標的治療に注目が集まっている。都教授の研究グループは、腫瘍組織から強力な抗腫瘍作用のある複数の細菌[A-gyo(阿形)、UN-gyo(吽形)、AUN(阿吽)と命名]の単離に世界にさきがけて成功している[プレスリリース(阿吽の呼吸で癌を倒す!-灯台下暗し:最強の薬は腫瘍の中に隠されていた-)https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2023/05/08-1.html]。なかでもAUN(A-gyoとUN-gyoからなる複合細菌)は、様々ながん腫に対して高い抗腫瘍活性を示すことを見出している。将来の臨床試験を見据えて、当該複合細菌AUNの簡便な培養方法の構築が必要不可欠である。
本研究では、当該腫瘍内複合細菌AUNの抗がん性能を高めるべく、異なる表面構造を有する複数の多孔質ろ過材[セラミック、ガラス、麦飯石、ポリプロピレン(PP)]を使用した細菌培養を試みた。なお、AUNの培養には、構成細菌の一つであるUN-gyoが光合成細菌であるため、ハロゲンランプ等を用いる光照射が必須である。
各種ろ過材を用い、光照射下で培養したAUNを、薬剤耐性乳腺がん細胞株(EMT6/AR1)を背面に移植したマウスの尾静脈に投与したところ、セラミックス製ろ過材で培養したAUNが顕著な抗がん作用と有意なマウス生存率を示すことがわかった。一方、他のろ過材(麦飯石、ガラス、PP)で培養したAUNとろ過材を用いない従来のAUNでは、3日以内にマウスが死亡した。また、コントロール群(AUN未投与群)は経時的に明らかな腫瘍体積増加を示し、すべてのマウスが13日以内に死亡した。
材料表面上の材質や多孔質構造が、細菌の活動を含む細胞生理機能に影響を与えることがよく知られているものの、「いったい何故、セラミックス製ろ過材だけがAUNの抗がん作用や生体適合性を高めるのか」、本研究では、その謎の解明に迫った。
まず、4種類のろ過材の元素分析を行ったところ、無機材料で構成されるろ過材(セラミックス、麦飯石、ガラス)では、元素組成が良く似ており、主成分が二酸化ケイ素(SiO2)であることがわかった。一方、PP製のろ過材は91%割合のPPで構成されていた。また、セラミックス製のろ過材と麦飯石には、細菌やウイルスといった病原性微生物を排除するのによく利用される光触媒[酸化チタン(TiO2)]が微量に含まれていることがわかった。従って、「このTiO2がAUNの抗がん性能の向上に寄与しているのではないか」、という仮説を立てた。
本仮説を検証するために、TiO2を内包する多孔質のポリジメチルシロキサン(PDMS)(TiO2-PDMS)から成るろ過材を調製した。予想した通り、TiO2-PDMSろ過材を用いて培養したAUN(AUN@TiO2-PDMS)は、セラミックス製ろ過材を用いて培養したAUNと同様に単回投与で腫瘍が完全に消失した(図1A、1B)。比較対象として TiO2を含有していないPDMS 製の足場材料で培養した AUN では、2日以内にマウスが死亡することがわかった。一方、コントロール群(AUN未投与群)は腫瘍退縮や生存率の改善に全く効果が見られなかった。また、AUN@TiO2-PDMSの優れた抗がん作用により、マウスの生存率も有意に延長された(図1C)。以上の結果から、光触媒TiO2を内包した多孔質高分子複合材料によってAUNの抗がん性能を大幅に改善できることがわかった。
図1.AUN@TiO2-PDMSの抗腫瘍効果に係る写真(腫瘍が完全消失)(A)、
腫瘍体積の経時変化(B)、ならびにマウス生存率(C)。
次に、何故、TiO2-PDMS複合材料がAUNの治療機能を向上できるのか、そのメカニズムを明らかにするために各種ろ過材でAUNを培養した後の細菌濃度を比較検証した(図2A)。この結果、TiO2-PDMSは、5日間培養した後のAUNの濃度を有意に減少させた。実際、TiO2を含有する3種類のろ過材(TiO2-PDMS、セラミックス製ろ過材、麦飯石)は、ハロゲンランプの光を3時間照射したところ細菌を弱体化させる効果のある活性酸素種(ROS)を検出した(図2B)。以上の結果をまとめると、光照射したTiO2-PDMS複合材料から発生するROSは、AUNの生体機能に影響を与えるため、毒性の低減化を引き起こしていると考えられる。
図2. 各種ろ過材で培養した5日後の細菌濃度(A)と各種ろ過材から発生したROS(B)
次に、このようなAUNの高い抗腫瘍メカニズムを解析するために定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)アッセイ、フローサイトメトリー解析、および免疫組織化学(IHC)染色を用いてAUN@TiO2-PDMSを静脈内投与した24時間後の固形腫瘍内の免疫細胞やサイトカインの挙動を調査した。この結果、AUN@TiO2-PDMSを投与すると腫瘍内の炎症性サイトカインTNF-αが増加し、T細胞、NK細胞、およびマクロファージが活性化されることが明らかになった(図3A、3B)。また、ヘマトキシリンとエオシン(H&E)染色では、非治療群と比較して、AUN@TiO2-PDMSの強力な抗がん効果による腫瘍組織の破壊も確認された(図3C)。さらに、AUN@TiO2-PDMS投与後の腫瘍切片におけるアポトーシスマーカー(カスパーゼ-3および末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ[TdT]を介した2'-デオキシウリジン、5'-三リン酸[dUTP]ニックエンドラベリング[TUNEL])およびTNF-α染色により、腫瘍内では大規模なアポトーシスが発現しており、強い炎症反応が誘発されていることもわかった(図3C)。以上の結果より当該薬効メカニズムを図3Dにまとめる。最後に、大型動物モデル(ビーグル犬)を用いたAUN@TiO2-PDMSの安全性評価(血液学的、組織学的検査)を実施したところ、複合細菌AUN投与による重篤な副作用は無いことがわかった。
図3. 免疫細胞と炎症系サイトカインの発現挙動に係るqPCRの結果(A)と
フローサイトメトリーの結果(B)、ならびに組織学的染色の結果(C)。(D)薬効メカニズム。
本研究は、将来の悪性乳癌の臨床治療に向けて光触媒を内包したろ過材がAUNの機能増強のための有望な材料の一つに成り得ると期待している。
本成果は、2024年10月7日に生物・化学系のトップジャーナル「Chemical Engineering Journal」誌(エルゼビア社発行)のオンライン版に掲載された。なお、本研究は、文部科学省科研費 基盤研究(A)(23H00551)、文部科学省科研費 挑戦的研究(開拓)(22K18440)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 研究成果最適展開支援プログラム (A-STEP)(JPMJTR22U1)、JST次世代研究者挑戦的研究プログラム(未来創造イノベーション研究者支援プログラム)(JPMJSP2102)、公益財団法人発酵研究所、公益財団法人上原記念生命科学財団、ならびに本学超越バイオメディカルDX研究拠点、本学生体機能・感覚研究センターの支援のもと行われたものである。
【論文情報】
掲載誌 | Chemical Engineering Journal(エルゼビア社発行) |
論文題目 | Photocatalytic scaffolds enhance anticancer performances of bacterial consortium AUN |
著者 | Mikako Miyahara, Yuki Doi, Naoki Takaya, Eijiro Miyako* |
掲載日 | 2024年10月7日にオンライン版に掲載 |
DOI | https://doi.org/10.1016/j.cej.2024.156378 |
令和6年10月9日
出典:JAIST プレスリリース https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2024/10/09-1.html物質化学フロンティア研究領域の松見教授がIOP PublishingのIOP Trusted Reviewer statusを受賞

物質化学フロンティア研究領域の松見紀佳教授が、IOP PublishingのIOP trusted reviewer statusを受賞しました。
IOP Publishingは英国物理学会(Institute of Physics:IOP)が運営する学術出版社です。
IOP Trusted Reviewer statusは、IOP Publishingが出版している学術誌の論文査読者の中から、高評価(トップ15%以内)の査読者に授与されるものです。
※参考:IOP Publishing
令和6年10月2日
出典:JAIST 受賞https://txj.mg-nb.com/whatsnew/award/2024/10/02-1.htmlソフトロボットハンドを農業の未来に

ソフトロボットハンドを農業の未来に
【ポイント】
- 柔軟性を持つ素材で作られたスキンが回転運動で変形することにより、大きさの異なる農作物を優しく掴んで収穫する汎用ソフトロボットハンド「ROSEハンド」に対し、有限要素解析ソフト「Abaqus」を用いて、把持動作によるスキンの変形に関する非線形解析を行いました。
- この解析により、把持性能や材料特性、幾何学的なパラメータなど、形態学的特徴の関係性を調査しました。
- 農作物の収穫など挑戦的な活用における「ROSEハンド」の可能性を示唆するデモンストレーションを行いました。
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)(学長・寺野稔、石川県能美市)ナノマテリアル・デバイス研究領域のHo Anh Van准教授、人間情報学研究領域のNguyen Huu Nhan助教、Nguyen Thanh Khoi大学院生(博士後期課程)らの研究グループは、実環境における様々な種類の農産物を収穫するため、座屈現象を利用した新しいソフトロボットハンドを提案しました。 |
【研究の内容】
近年、産業用ロボットの導入により、ロボットハンドは様々な業界において必要不可欠となっています。特に、農業分野では包装や収穫作業等、幅広く使用されています。農業の発展に伴い、ロボットハンドが対象とする農作物は、それら特有の幾何学的な形状や物理特性に合わせて、多種多様となってきています。その複雑性は、農業特有の技術的要件と相まって、従来のロボットハンドの課題となっています。そのため、形状やサイズ、質感など様々な属性を持つ農作物に適応可能な汎用性の高いロボットハンドの需要が高まっています。
既存の手法において、ロボットハンドは、データに基づくモデルによって生成される複雑な制御や動作計画に依存しています。これには膨大なデータベースと複雑な設計を必要とするため、既存の手法では限界になってきています。そのため、革新的な解決法の開発が急務となっています。以前、我々のグループでは、新たなソフトロボットハンドである「ROSE(ROtation-based Squeezing GrippEr)ハンド」を開発しました(※)。これは農業における実環境下の収穫作業に対し、よりシンプルで効果的な方法を提供するものです。(図1A)。
(※) https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2023/07/14-1.html
「ROSEハンド」は、薄く柔らかい弾性体である内側と外側の2枚の層で形成されています。これらの層の間には空間があり、内側の層を回転させることにより層が変形し、「ROSEハンド」本体の内部に「しわ」が生じます。(図1B)。この特有な変形によって、この中央の空間は徐々に収縮し、この空間内にある対象物を優しく掴むことが可能となります。
本研究では、「ROSEハンド」が持つ「掴む」メカニズムを最適化するため、柔らかい素材の複雑な非線形変形をシミュレーションすることができるソフトウェア「Abaqus」を使用しました。非線形性を持つ弾性体は、変形(曲げることや伸びること)しても元に戻る特性を持ちます。その力学的な挙動をモデリングすることは大きな課題となっています。「Abaqus」は、この特性に対処する高度なコンポーネントと制御モジュールを備えており、「ROSEハンド」が持つ複雑性について正確なシミュレーションを行うことができます。
「ROSEハンド」の機能の根幹には、回転動作により発生する「しわ」が生じる「ねじり」の現象があります。「ROSEハンド」の内側の層が外部モータによって「ねじり」の運動を受けると、外側の層と内側の層で「ずれ」が生じます。(図1A)。この「ずれ」は、「ROSEハンド」の縁周辺に不均一な「ひずみ」をもたらし、この「ひずみ」がある点から力が加わると「しわ」の形成に繋がります。この「しわ」によって、「ROSEハンド」の縁が狭まることにより、把持動作が可能となっています。「Abaqus」によるシミュレーションの結果、形態学的な特徴(高さ、直径、厚さ)と把持機能の相関関係が明らかになりました。この発見により、「ROSEハンド」の形状設計を最適化することで、全体的な性能を向上させることができ、これにより改良された「ROSEハンド」で、従来のロボットハンドでは困難であった様々なタスクを検証しました。
本研究では、農業での「ROSEハンド」の実用化が収穫作業における画期的な変化となり得ることを見出しました。農作物のようなデリケートなものを扱うには、従来のロボットハンドでは様々なハードルがありましたが、改良後の「ROSEハンド」は様々な形状や質感に適応可能なため、収穫のような作業に非常に効果的です。
図1. ROSE Design and Wrinkles formation mechanism.
本実験では、「ROSEハンド」でキノコ(図2A)やイチゴ(図2B)のような作物の収穫を行いました。これらのように柔らかい・硬いに関わらず確実に把持することができ、収穫作業の高い成功率を保証することができました。この「ROSEハンド」による収穫機能は、収穫作業の効率を向上させるだけでなく、高齢化に直面している地域での労働力不足にも効果があります。収穫作業を自動化することにより、「ROSEハンド」は農業の持続可能な効率化に貢献し、農業の未来に不可欠なツールとなります。
図2. A) ROSE harvesting mushroom and B) ROSE harvesting strawberry
【今後の展開】
この研究成果がもたらすインパクトは、科学的な研究とその応用の両方から述べることができます。まず、科学的なインパクトは、世界で初めて弾性体の持つ「しわ」の現象を把持機能へ応用したことです。「ROSEハンド」は、通常のロボット設計者が持つ弾性体に現れる「しわ」を引き起こす「たわみ」が望ましくないという一般的な考えを変えることができます。次に、応用面では、「ROSEハンド」の実用性は様々な分野の用途で有望視されています。例えば、「ROSEハンド」の持つ特性により、食品工場などにおける食品のハンドリングや本研究で示した農業の収穫だけでなく、箱詰めのような他の農作業へも利用することが可能です。
本研究では、「ROSEハンド」が農作業の自動化に貢献できることを明らかにしました。また、「ROSEハンド」の活用を他分野に応用することを視野に入れ、日本が直面している労働力不足解消に重要な役割を担うことが期待されます。
本研究成果は、2024年9月23日に、ロボティクス分野の主要ジャーナル「International Journal of Robotics Research」(米国SAGE Publications社)に掲載されました。
【論文情報】
雑誌名 | International Journal of Robotics Research |
論文題目 | Soft yet secure: Exploring membrane buckling for achieving a versatile grasp with a rotation-driven squeezing gripper |
著者 | Khoi Thanh Nguyen, Nhan Huu Nguyen, and Van Anh Ho |
DOI | 10.1177/02783649241272120 |
令和6年9月26日
出典:JAIST プレスリリース https://txj.mg-nb.com/whatsnew/press/2024/09/26-1.html学生の永原さんが第21回「次世代の太陽光発電システム」シンポジウム(第4回⽇本太陽光発電学会学術講演会)においてInnovative PV奨励賞を受賞
学生の永原光倫さん(博士前期課程2年、サスティナブルイノベーション研究領域、大平研究室)が第21回「次世代の太陽光発電システム」シンポジウム(第4回⽇本太陽光発電学会学術講演会)においてInnovative PV奨励賞を受賞しました。
日本太陽光発電学会は、太陽光発電に関連する学術分野の研究の促進ならびに成果の普及に関する事業を行い、将来の脱炭素社会の実現とその発展に寄与することを目的としています。
同シンポジウムは、国内の太陽光発電にかかわる研究者や技術者が一堂に会し、分野の垣根なく議論する場として開催されています。
Innovative PV奨励賞は、同シンポジウムにおいて、太陽光発電ならびにその関連分野の発展に貢献しうる優秀な講演論文を発表した35歳以下の同会若手会員に対し授与されるものです。
※参考:日本太陽光発電学会
■受賞年月日
令和6年8月28日
■研究題目、論文タイトル等
封止材とカバーガラスを使用しない曲面結晶Si太陽電池モジュールの機械的強度評価
■研究者、著者
永原光倫、Huynh Thi Cam Tu、大平圭介
■受賞対象となった研究の内容
封止材とカバーガラスを使用しない曲面・大面積結晶Si太陽電池モジュールに対し、JIS規格に基づく砂袋式荷重試験と降雹試験の2種類の機械的強度試験を行った。結果として、砂袋式荷重試験では、切削加工により作製したポリカーボネート(PC)ベースが破壊されないことや、フロントカバーであるPC板と太陽電池セルの接触による破損がないことが分かった。降雹試験では、降雹によるフロントカバーに傷が確認されないことや、衝撃による太陽電池セルの破損が見られないことを確認した。以上のことから、従来型太陽電池モジュールの評価基準を満たす機械的強度を有することが分かった。
■受賞にあたって一言
奨励賞を受賞でき、とてもうれしく思います。研究を進める中で、大平教授をはじめ多くの方からサポートや貴重な助言をいただいたことが、今回の受賞につながったと感じています。これからも一層研究活動に取り組んでいきたいです。
令和6年9月24日
出典:JAIST 受賞https://txj.mg-nb.com/whatsnew/award/2024/09/24-2.html物質化学フロンティア研究領域の青木助教の講演が第85回応用物理学会秋季学術講演会の注目講演に選出されました
2024年第85回応用物理学会秋季学術講演会が9月16日(月)~9月20日(金)に朱鷺メッセほかで開催されます。
物質化学フロンティア研究領域の青木健太郎助教の講演が当該講演会の注目講演17件のうちの1つとして選出され、応用物理学会からプレスリリースが発表されました。
講演情報
スルホン化ポリイミド薄膜のLiイオン電池用有機溶媒滴下による組織構造形成とリチウムイオン伝導度の向上
〇青木健太郎、Athchaya Suwansoontorn、原光生、山本勝宏、是津信行、永野修作、長尾祐樹
応用物理学会のプレスリリースはこちら
令和6年9月18日
出典:JAIST お知らせ https://txj.mg-nb.com/whatsnew/info/2024/09/19-1.html