次世代の細胞計測技術を創り、ニューロン情報処理の秘密に迫る

「電気信号」というとコンピュータや携帯端末などの電子機器がすぐに思い浮かびますが、私たち生き物も電気信号を巧みに使っています。そう、このwebページを見て頂いている時も、眼や頭の中のたくさんの細胞で活動電位と呼ばれる電気信号が出ているはずです。

電子機器の電気信号は通常、明確な意味を持っています。例えば、ディスプレイのある画素を点灯させるかどうかなどです。しかし生き物においてはそう明確ではなく、情報はより分散的に表現されている、と一般的に考えられています。まだ詳しいことは良くわかっていませんが、多くの科学者が未知の原理の解明に少しでも近づく事を目指して研究を行っています。

研究室では、こうした情報処理の秘密に実験的に迫るために重要な、計測技術の革新に取り組んでいます。シナプス分化誘導能を持つ微小電極技術や膜電位を可視化する分子ツールの開発などに主に取り組んでいますが、関連して、蛍光蛋白質の物性研究なども行っています。科学研究の歴史を振り返れば、予期せぬ方向からヒントや手掛かりが得られてきたことが数多くあります。より自由な心構えで、さまざまな科学に対して興味を持つこと大切にしています。電気生理学・分子生物学・微細加工・光学計測などを跨ぐ分野横断的なアプローチをとっています。